他人がすぐに気付く問題を先に自分で気付くための方法
よく考えたコードや設計であっても他人が見るとすぐに問題が見つかることがある。知識差が原因のこともあるけれど他人だからこそ気付けたという場合も多い。
これは客観的に見ると気付く、というよりも視点を変えると見え方が変わる(よって問題に気付く)ということだと思う。他人は自分と少なからず違う視点(思考)になるので手っ取り早いというだけ。自分の視点を変えられれば問題に気付きやすくなる。
僕が普段無自覚にやっている方法を整理すると次の2つをやっているみたいだった。
ロール(役割・役職)を変えて考える
プログラムの設計やコーディングは基本的にプログラマーとして作業してしまう。例えばDBAになりきるとプログラム上は楽でもパフォーマンスなどで問題のある部分が見えてくるし、仕様を考えた人になりきるとプログラムの都合で元の仕様設計の意図を歪曲したり複雑化していないかが見えてくる。インフラエンジニアになりきると本番デプロイ時に問題になることなどが見えてくる。
こうやって違うロールになりきって考えると結構色々問題が見えてくる。ただ経験したこともないロールになりきるのは無理があり(単に机上の空論となる)経験に左右されるから、色々なことをやってみるのは大切だと改めて思う。
脳内の一時メモリをリセットする
これはライフハック的に言われてることだと思うけど、今やっている作業状態を一旦忘れてから再度考えることで強制的に違う視点にする方法がある。お風呂に入る、散歩する、一晩寝かすなど。僕の場合、だいたい数回自転車に乗ると「あー、そうじゃないや、こうだな」と違う視点のアイデアが出てきたりすることが多い(子供の送り迎えや買い物で毎日何回か自転車に乗る)。
奥の手として潔く信頼できる人に見てもらうというのがある。ブログタイトルと明らかに矛盾するけれどコードレビューやテストなどの決まったサイクルを待たずに自主的に第三者視点を求めるのは良いと思う。自分で気付ける方法を書いてみたもののどうしてもカバーできない部分はあると思うので。
SymfonyはなぜTwigを採用したのか ~ Jinjaとの関係
Symfony Advent Calendar 2018 10日目の記事です。
SymfonyはテンプレートエンジンにTwigを採用しています。TwigはPython製のJinjaにシンタックスが似ていることで知られています。SymfonyがなぜTwigを採用したのか、なぜJinjaと似ているのかについて日本語の情報が少なそうなので書いてみようと思います。
ただ、内容としてはほとんどSymfonyの作者であるFabien Potencierのブログ記事で触れられているものです。
Templating Engines in PHP | Articles - Fabien Potencier
この記事は2009年10月にポストされたものです。この時のSymfony(当時はsymfony)のバージョンは1.3で11月に1系最後である1.4がリリースされています。彼がこの時期にどのようなテンプレートが望ましいか考え悩んだ結果が吐露されています。
記事の最初に「私と意見が合わなくて殺したい人がいるかも」という注意が書いてあることから当時のテンプレートエンジンに対する議論の白熱?具合が伺えます。
記事に書かれていること
PHP自体が良いテンプレートとは思えない
この記事の前半ではDjango(Pythonのウェブフレームワーク)のテンプレートと比較して次のようなことが書かれています。
- PHP自体がテンプレートだという主張があるが…
PHPの既存テンプレートに良いものがない
中盤では既存のPHP製テンプレートエンジンを探してみたけどいいのがない、ということが書かれています。Smarty、PHPTAL、eZ Components Templates、Dwoo、Calypsoを取り上げています。
Twigとの出会い
後半ではTwigにたどり着いた経緯が書かれています。
- Djangoのテンプレートっぽいものを探したところTwigを見つけた
- TwigはJinja作者であるArmin Ronacherによって書かれたもの
- 2008年にとあるサービス向けにTwigが作られたがArminはPythonで仕事してる
- 彼にTwigを発展させてもいいか聞いたら乗り気になってくれた
その後
Symfony 2がリリースされたのは約2年後の2011年7月です。この時にデフォルトのテンプレートエンジンとしてTwigが採用されています。
Twigの最初のgitコミットを確認すると2009年10月7日となっています。そして先に紹介したFabienの記事の日付は同じく2009年10月7日です。この日のコミットは開発ではなくgit-svnを使ったSVNリポジトリ(おそらくArminが使っていたものと思われます)からのポーティングですが、これからやっていくぞという意気込みを感じるコミットです。
現在のTwigはSensioLabs(FabienがCEOの会社)やSymfony開発者によってメンテされ、9年間経った今でもSymfonyを支える重要なパーツとして生き続けています。
Symfony 4をDeployerでデプロイしてSlackに通知する
Symfony Advent Calendar 2018 9日目の記事です。
概要
PHP製デプロイツールのDeployerを使ってSymfonyをデプロイする方法について書きます。おまけでSlackにデプロイ結果を通知する方法についても書きます。
環境など
Amazon Linuxで作業しました。Deployerのバージョンは 6.3.0 です。gitにあるSymfonyプロジェクトをデプロイする想定なのでGitHubに次のような準備を行いました。
$ composer create-project symfony/website-skeleton symfony4-deployer $ cd symfony4-deployer $ git add . $ git commit -m "first commit" $ git remote add origin git@github.com:cloned/symfony4-deployer.git $ git push -u origin master
Deployerのインストール
Deployerは dep
というコマンドを使って操作します。インストール方法は Deployer — Installation を参照してください。pharをダウンロードして配置する方法でもcomposerでインストールする方法でも dep
というコマンドが利用できればOKです。
設定ファイル deploy.php を配置
dep
コマンドが使えるようになったら、今度はデプロイするための設定ファイル deploy.php
が必要です。このファイルは次のコマンドで雛形を作成することができます。
$ dep init
LaravelやSymfonyなど色々な選択肢が用意されており便利そうなのですが、この選択肢の Symfony
は Symfony 2 を想定しているのと、この手の設定はまず動く最小限を用意してから必要に応じて増やす方が理解しやすいので、ここでは最小設定の deploy.php
を用意しました。
<?php namespace Deployer; require 'recipe/symfony4.php'; set('application', 'symfony4-deployer'); set('repository', 'git@github.com:cloned/symfony4-deployer.git'); set('env', [ 'APP_ENV' => 'prod', ]); host('localhost') ->set('deploy_path', '~/deploy-path/{{application}}');
要点としては次のようになります。
- 既に定義済みのレシピ
symfony4.php
をrequire
する application
(アプリ名)とrepository
(gitリポジトリ)を設定する- Symfonyのenvがprodになるように
APP_ENV
を設定する - デプロイ対象のホストとパスを設定する
それぞれ少し解説します。
レシピに symfony4.php
を利用する
Deployerにはレシピ(recipe)というものが用意されています。と書くとそのような仕組みがあるかのようですが実際のところ「良くあるタスクをあらかじめ定義しておいたPHP」というだけで、利用するにあたっては require
するだけです。
ここで利用している recipe/symfony4.php
はDeployer公式のものなのでcomposerなどで追加する必要はなくそのまま参照して利用できます。内容は直接コードを見た方がわかりやすいです。
deployer/symfony4.php at master · deployphp/deployer
設定を変更していく際に symfony4.php
の定義をみて既にある定義を使うのか、上書きするのか、追加するのか、など考えますので元のレシピ(設定)を把握しておくことは重要です。といっても symfony4.php
に関していえば数十行しかなく簡単に把握できると思います。
envをprodにする
<?php set('env', [ 'APP_ENV' => 'prod', ]);
このように設定するとDeployerはコマンドを実行する際に先頭に export APP_ENV='prod';
と付け加えます。Symfonyのenvをprodにするためこのような設定を入れてあります。
この設定をせずにデプロイすると次のようなエラーになってしまいます。
PHP Fatal error: Uncaught Symfony\Component\Debug\Exception\ClassNotFoundException: Attempted to load class "WebProfilerBundle" from namespace "Symfony\Bundle\WebProfilerBundle".
これは composer install
を --no-dev
で実行している(つまりrequire-dev
のものはインストールされない)にもかかわらず、SymfonyのenvはdevのためWebProfilerBundle
クラスを読み込めずエラーになっています。
Symfonyのenvをprodにするには APP_ENV=prod
と記述した .env
ファイルを配置する方法もありますが、ここでは実行時の環境変数で設定を行いました。
APP_ENVについてはSymfonyの公式ドキュメントに記載がありますのでそちらも参照してください。
How to Deploy a Symfony Application C) Install/Update your Vendors
デプロイを実行する
これで準備が整ったのでデプロイを実行します。
$ dep deploy
うまくいけば次のように実行されたタスクが表示されます。
デプロイ先は次のように設定していますので localhost
にSSH接続して deploy_path
のパスに対してデプロイが行われます。
<?php host('localhost') ->set('deploy_path', '~/deploy-path/{{application}}');
この例でのデプロイ後のアプリケーションパスは ~/deploy-path/symfony4-deployer/current
になります。current
はシンボリックリンクで実体は~/deploy-path/symfony4-deployer/releases/
以下に存在します。releases/
に配備したコードへのシンボリックリンクを張り替えるという方法になっています。この辺りはDeployerのコピー元であるRuby製デプロイツールのCapistranoと同じです。
デプロイを戻す
$ dep rollback
とすると直前のリリースにシンボリックリンクを張り替えます。これによりデプロイ前のコード(前回デプロイしたコード)にロールバックすることができます。ls -l current
等でシンボリックリンク先が変わっていることを確認すると理解しやすいと思います。
デプロイ設定を変更する
これで基本的なデプロイは完了です。ただ用途によって設定を変更したいことがあるかもしれません。例えば var/log
と var/sessions
はもともとデプロイごとに別ファイルになってしまわないようにcurrent
と同じ場所にあるshared
ディレクトリへのシンボリックリンクになるようになっていますが、var/files
も同様にしたいとしましょう(var/files
は単にここでの例でSymfonyにはもともとありません)。
その場合は deploy.php
に次の記述を追加します。
<?php set('shared_dirs', ['var/log', 'var/sessions', 'var/files']);
元のレシピの symfony4.php
に既に shared_dirs
が定義されていますが var/files
を追加して上書きしています。このように元のレシピを確認しながら必要に応じて設定を変更することができます。
他にも例えば symfony4.php
には database:migrate
タスクが定義されているので、デプロイ完了前にマイグレーションを実行するような設定を行うこともできます。
Slackに通知する
おまけですがデプロイが完了したらSlackに通知する設定も追加します。Slackに通知する実装はDeployer本体には含まれていませんが、別のリポジトリで色々なレシピが公開されておりそこにSlackのレシピが存在します。公式サイトにドキュメントも存在します。
まずはcomposerで各種レシピを追加します。
$ composer require deployer/recipes --dev
次に deploy.php
にSlackに関する設定を追加します。成功時に通知したいだけであれば次の3行を追加するだけです。
<?php require 'vendor/deployer/recipes/recipe/slack.php'; set('slack_webhook', 'https://hooks.slack.com/xxxxxxxx'); after('success', 'slack:notify:success');
slack_webhook
のURLはSlack側で作成しておく必要があります。うまくいくと次のような通知が来るようになります。
まとめ
Deployerを使ってSymfony 4をデプロイする方法を解説しました。PHP製フレームワークのデプロイ設定があらかじめ用意されているのですぐに使い始められます。Symfony 4に限らず公式レシピをうまく使ってデプロイする際の参考になればと思います。
ドラゴンクエストXを支える技術を読んだ ~ 中の人しか知り得ない貴重な記録
ドラゴンクエストXを支える技術 ── 大規模オンラインRPGの舞台裏 (WEB+DB PRESSプラスシリーズ)
- 作者: 青山公士
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2018/11/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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発売されることを知って予約注文していた本。読み終えたので感想文。先に一言で結論を書くと素晴らしい本だった。
この本の良いところ
この本が素晴らしいのはゲーム開発の実録になっていること。一般的な技術解説本の場合、著者が経験してきたことの集大成になることが多い。つまり色々なプロジェクトを経験した上でこれが最も良かったと思う内容がピックアップされる。効率よく学習したい読者にとっても普通はそのほうが良い。
しかし、この本では「ドラゴンクエストXで何をしたのか」しか書いていない。もちろんお手本になるものが中心ではあるけれど、失敗したこと、そしてそれがどのような大規模障害に繋がったのかが解説されている。
これはすごいことで、著者は自分(達)の失敗を明らかにするような本を書きたくないし、失敗する方法よりも成功する方法を伝えたいものだから。でも、この本には失敗談がたくさん盛り込まれている。失敗談をたくさん記述してくださった著者に敬意を表して失敗談の有用性について少しだけ書きたい。
失敗経験がないと良い方法を蔑ろにする
本(に限らないけれど)に書いてあった良い方法を学んで実践する。通常はこれで良い。けれども、悪いものを知らないとそれがどれだけ良いのかわからない。良さの程度がわからないと良い方法を蔑ろにする。
「こうした方が良いのだろうけど今回はその場凌ぎの対応をしておこう」というのは現場で頻繁にある。時間が限られているので仕方がないところもあるけれど、悪いものを知らないと「その場凌ぎであっても選択してはならない重大な欠陥がある方法」をあっさりやってしまったりする。
悪い方法について知らないからというのもあるけれど、何より失敗経験がないとその悪さを重大なものとして認識しにくい。
実際に失敗した人は違う。この悪い方法を選択したばかりに開発/運営チームは数日対応に追われお客様から大量の叱咤を受けたという経験から、時間がなくてもその方法を選択してはいけない、時間がないならリリースを延期してでも違う方法にしないとダメ、と言えるようになる。
こういった判断力を培うには普通は自分で失敗するしかないのだけど、この本はなんとその失敗経験をたったの2680円+税で提供しているのだから値千金ということ。しかも実際にドラゴンクエストXにどのような影響を与えたのかが常に記載されており社外の人間が読んでも臨場感のある内容になっている。
広範囲な内容
目次を見るとものすごい広範囲な内容になっていて、これだけ読めばオンラインゲームの全貌が掴めそうな感じ。とはいえ実際のところは次の点が中心だったように感じる。
- ゲームサーバーのプロセス設計やDBの使い方
- 制約に対するアプローチ(メモリが足りない、アクセスが多くて高負荷など)
ページ数だけでみると他の章も結構紙面を割いているのだけど、開発体制やプログラミング言語に関するところ、グラフィックに関するところは基本的な内容が多いように感じた。
あまり公開されないチート対策についても記述されているので必見。
読み手を選ばない配慮の行き届いた文章
この本はドラゴンクエストXについてしか書いていないので当然ゲームとしてのドラゴンクエストXを知らないと理解しにくい部分があるのだけど心配無用でゲーム仕様どころか次のような解説からスタートしている。
RPGは、役割(Role)を演じる(Playing)ゲーム(Game)のことです。
p3より
また専門用語は使われているものの専門用語の使い始めに説明を記していることが多い。「フラグ」のような開発者でなくても知っていそうな言葉でも解説が入っている。
期待外れにならないように
この本では大体のことが方法論までしか触れておらず実装説明はあまりないので各部門の専門の人が読んだ際には物足りない感じはあるかもしれない。企業秘密的な側面もあるだろうし幅広い読者層を意識してのことだと思う。
プログラミング視点だとウルティマ開発者のこの本が具体的でかつ実践的だった。
ゲームコーディング・コンプリート 一流になるためのゲームプログラミング (Professional game programming)
- 作者: Mike Mcshaffry,手島孝人,山下恵美子,依田光江,大貫宏美,廉典子,田中幸,宮本寿代
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オンラインゲーム設計視点だとやはりこの本を外せない(「ドラゴンクエストXを支える技術」の中でも言及がある)。
オンラインゲームを支える技術 ??壮大なプレイ空間の舞台裏 (WEB+DB PRESS plus)
- 作者: 中嶋謙互
- 出版社/メーカー: 技術評論社
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とはいっても各専門の人が読んでも期待外れに思うことはないと思う。なぜならこの著者ほどオンラインゲームの全体を把握し責任を持つ立場になっている人は日本にそれほどいないだろうから。
読み終えて思ったこと
はてなブログに移行したついでに振り返りや近況など
はてなダイアリーからはてなブログに移行した。はてなダイアリーの最初の投稿は2005年11月22日のようなので昨日で13周年だったみたい。
Javaについて書くところから始めて、インターネット全般、読んだ本、写真のこと、いろいろ書いた。今では年に数回しか書いてない。
ブログを書かなくなったのはTwitterやFacebookでパッと書きたいことを書けるようになったからというのもあるし、以前よりもインターネットに情報が充実していて自分が書くまでもないと感じて書かないことも多かった。
最近のこと
今でもプログラマを続けているし作るものもインターネット関係だから仕事は昔と変わっていない。内容が同じということはないけれど今までの延長線。
でも、生活は大きく変わった。子供が二人いるので自分だけのために使う時間はほとんどなくなった。こうしてブログ書いている時間なんてほとんどなくて、実際、今現在も下の子を朝寝させている隙に書いている。
ただ、この時間がない、というのは自分のための時間がない設定で良いという自分の判断なので、子供のせいで人生が辛いという意味ではない。優先順位の問題。
インターネットに思うこと
最近は穏やかではないこともよく目にするけれど、自分が思ったことを検閲されずに広く公開できる場所は今でもやはりインターネットしかないと思う。検閲は国によるし日本でも最近話題に新しいけれど、なんの背景も持たない小さな個人が平等に扱われる場所としてインターネットはあり続けて欲しいと思う。
子供に思うこと
子供ができて感じるのはとにかく子供の能力を甘く見ていたなということ。5歳というとまだ幼児、つまり言葉は話せるけどまだまだ幼いというイメージだったけれど、本当に謝罪の上で撤回。論理的な思考ができるし社会性もある。身体能力も跳び箱9段跳べるとかびっくり。
今日のこと
下の子を朝寝から起こしてしばらくしたら離乳食をあげる。その頃には奥さんが起きてくるので(奥さんは夜中対応してくれているので午前中長めに寝る方針)、そしたら上の娘を連れてスケートに行ってくる。またスケートができるシーズンになって喜ばしい。
冬は大好きなので寒さも乾燥も大目に見るけれど静電気だけは消滅して欲しい。痛いの嫌い。ぺんてるの静電気除去グッズが手放せない毎日。
目的のために「手段」認定すると楽しくない
手段であって目的ではない、とよく言われる。現代の格言と言っても良い。英語を使って何をするかが重要なのだから英語を覚えることは手段でしかない。いかにももっともらしい。
ここでいう手段は目的を達成するための方法という意味だから、目的を何にするかによって何が手段になるのか異なる。目的によって変動する定義なのだから一般論として「○○は手段だ」と断じるとおかしい。宇宙全体の幸せが目的の人にとってはそれ以外の行為全てが手段でしょう。
一人の人間に対して目的が1つ、という決まりもない。同じ人間でも目的はいくつもある。ゲーム開発者がゲームプレイすると遊んで楽しい(プレイヤーとしての目的そのもの)と知見が増えた(開発者としての手段)と両方共存する。
手段であって目的ではない論法を目にした時、近視眼的で今まで見えていなかった目的が見えてよかったと思うなら良いけれど、自分のやっていることは手段でしかないのかと卑下するなら良くない。結局のところ、何をしたいの?どうしたいの?というのを自覚しましょうということでしかない。
これは経験的にだけど「手段」認定するとその行為が楽しくなくなるので基本的には目的であり手段でもある方が良い。よくプログラミングも手段であって目的ではないと言われる。確かにアプリケーションを作るためのプログラミングは手段だけど、より美しく保守性の高いプログラミングを考えてるときはそれ自体が達成したい目的だったりする。そう感じて頭を使う方が楽しいし創造的になる。もちろんそれを客観的に俯瞰してみれば「手段」認定できるけれど、そんなに手段手段言わなくても良いのではと思う。
noteでプログラミング超超超入門を書いてみる
プログラムが魔法でないことを知ればあなたもプログラマになれる
noteデビューしてみた。プログラミングの入門書って入門の割に初心者ブレイカーなことが多いとずっと思っていて、今日ふと思って書き始めてみた。プログラミング超超超入門として時間を見つけて書いてみたい。