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学校でハモリを体験できるのは良いこと

音楽に興味のある人なら大体知っていることだと思うけれど、ピアノではハモリを実現することはできない。オクターブ以外は外れてしまう。これはピアノが平均律で調律されているためで、そのお陰でピアノはどのような調も演奏することができる。
ウィーン合唱楽団のCDを聴いていて思ったのだけれど、つくづくハモリ(共鳴)の素晴らしさを知っているということは音楽としての楽しさの幅が広がる重要な要素ではないかと思う。この辺が解らないと、オーケストラが音色として豊かなくらいにしか感じられないのではと懸念してしまう。そう、バイオリンなどの楽器はハモリが実現可能なのだ。
一番顕著なのは、やはり肉声だろう。ハモった音程になった瞬間に来る共鳴は独特だ。それも、たったの2音で実現可能だ(関係ないけれど、ドラクエも1のときは2和音だ)。そういう意味では学校の音楽の授業にある合唱というのはとても良い経験だと思う。少なくとも、各個人にピアノを触らせるよりは有意義だと思う。肉声のハーモニーの素晴らしさを感じることができれば、多分オーケストラや合唱のみの音楽を抵抗なく聴けるし、もっと言えばジャズなどの他のジャンルも聴けるだろう。
歌を歌うことが恥ずかしいと感じる時期とも衝突するだろうから難しいかもしれないけれど、そこに共鳴することの感動を覚えることができたなら、それで十二分に有意義な経験ができたと思って良いと思う。だから、少々恥ずかしくても、声を出して合唱してみると良いだろう。
一応補足しておくと、だからと言ってピアノが悪い楽器だとは全く思っていない。素晴らしい音色を奏でる最高の楽器の一つだと思う。ピアノは音を伸ばすことができないとか、音を揺らす(ビブラート)ことができないといったことを理由に駄目な楽器だなんて言う人は正直どうかしていると思う。楽器は何ができるとか何ができないとかで良し悪しを計るものではないだろう。人間が良いという音を求めるために楽器というのは存在するのだと思う。