苫米地英人の「スピリチュアリズム」「洗脳原論」を読んだ

最近、苫米地英人氏の映像をみてかなり興味を持った。苫米地英人という人を初めて知ったのは結構遅くて、ドクター苫米地ブログ − Dr. Hideto Tomabechi Official Weblog : そういえば、署名広告は、私の知財なんだけど、堀江君 - livedoor Blog(ブログ)を読んだのが最初(この記事だけ読むとすごいところにケチつけているような印象になりそうなので知財の話、堀江君もネット読めるようになってたら読んで。も参照すると良いと思う)。オウム事件での活躍などは後に知った。
そのときは、経歴も斜め読みですごい人もいるものだ、くらいにしか思っていなかったけれども、動画で喋っている姿をみて、非常に賢い人だと感じたし、プログラミング言語LISPに精通している人であることに驚いた。また、正確なソースを見つけられなかったけれど、Macの「ことえり」の開発者らしい。
そこで著作を非常に読みたいと思ってこれだと思う本を2冊購入。昨日、アマゾンから届いたので昨日中に2冊とも一気に読んでしまった。

スピリチュアリズム

スピリチュアリズム

本の表紙が黄色に見えるけれども、実際には折り紙の金色にラメが入ったようなゴージャスな色。スピリチュアリズムと呼ばれるものの実態と歴史的な発祥、そしてその危険性について非常にわかりやすく書かれている。文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)に登場する、超能力、占い師、霊能者、宗教者を定義分類してゆく作業と同じようなところもあるけれども、概念だけでなく現実の事象を解き明かすので、真意を突いた内容になっている。

洗脳原論

洗脳原論

こちらはオウム真理教の脱洗脳で得られた経験的な話と学問的な話がしっかりと書かれた本。なんとなく言葉だけは知っている「洗脳」がどのような原理で可能になるのかを順を追って具体的に示されている。「こういう状態を発生させれば洗脳できます」ではなく「こういう状態にするにはこうします」という具体性はなかなか一般書籍には書かれないことのように思う。特に幹部であったU正吾師の脱洗脳の具体的な流れはまさに事実は小説より奇なりというに相応しいと感じた。その他、精神病と洗脳は全く異なるものであることや、ディベートによる方法論など洗脳にまつわることが網羅されている。

両方の本に共通して感じたこと。それは本に驚き動揺するような箇所が一つもなかったこと。内容がではなく感じ方がだ。内容は知らないことだらけだったにも関わらず驚き(正確には驚くような感じ)がない。これは全て論理的に情報を隠さず書かれているからだと思う。手品のタネをみたときに「そんなことをしていたのかスゴイ」ではなく「なんだ、そんなことだったのか・・・」と落胆することの方が多いのと似ている。あることがあるようにあった、ということが矛盾なく書かれているので、感覚的にはなるほどねくらいにしか思わない。しかし、詰まっている内容は驚くに値すると思う。特に洗脳原論を読まなければ、オウムについて、いかがわしい団体がいきすぎて犯罪を起こしてしまった、という程度の認識が続いていたかもしれない。オウムは良いこと言って入信させたというようなレベルではなく技術的な方法を用いて洗脳していたのだ。

オウムに代表されるカルトの方法と思想の危険性について、苫米地英人氏は警笛を鳴らしている。